本文に移動

三重県視覚障害者支援センター

ピックアップ図書 

今月のピックアップ図書は、第170回芥川賞と直木賞の受賞作品と候補作品を11冊ご紹介します。

▽芥川賞受賞作品1冊と候補作品4冊

1 「東京都同情塔」 九段 理江 著 (デイジー) 製作中 (点字) 製作中

「犯罪者は同情されるべき人々」という考え方から、犯罪者が快適に暮らすための収容施設となる高層タワーが、新宿の公園に建てられるという未来の日本が舞台。生成AI時代の預言の書。第170回芥川賞受賞作品。

2 「迷彩色の男」 安堂 ホセ 著 (デイジー) 製作中 (点字) 製作中

ブラックボックス化した小さな事件がトリガーとなり、混沌を増す日常、醸成される屈折した怒り。折り重なる感情と衝動が色鮮やかに疾走する圧巻のクライム・スリラー。芥川賞候補作品。

3 「Blue」  川野 芽生 著 (デイジー) 製作中 (点字) 製作中

自分で選んだはずの生き方、しかし選択肢なんてなかった生き方。社会規範によって揺さぶられる若きたましいを痛切に映しだす、いま最も読みたいトランスジェンダーの物語。芥川賞候補作品。

4 「猿の戴冠式」 小砂川 チト 著 (デイジー) 製作中 (点字) 製作中

ある事件以降、引きこもっていたしふみはテレビ画面のなかに「おねえちゃん」を見つけ動植物園へ行くことになる。言葉を機械学習させられた過去のある類人猿ボノボと邂逅し、魂をシンクロさせ交歓していく。芥川賞候補作品。

5 「アイスネルワイゼン」 三木 三奈 著 (デイジー) 製作中  (点字) 製作中

32歳のピアノ講師は、最近、仕事も恋人との関係もうまくいっていない。そんな中、久々に連絡をとった友人との再会から、事態は思わぬ方向へと転がっていく。静かな日常の中にひそむ「静かな崖っぷち」を描き、心ゆすぶる表題作。芥川賞候補作品。

▽直木賞受賞作品2冊と候補作品4冊

6 「ともぐい」 河崎 秋子 著 (デイジー) 製作中 (点字) 製作中

明治後期、ロシアとの戦争に向かって、きな臭さを漂わせる時代の変化。すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる。第170回直木賞受賞作品。

7 「八月の御所グラウンド」 万城目 学 著 (デイジー) 5時間19分  (点字) 製作中

借金のカタに、謎の草野球大会に参加する羽目になった大学生を描く表題作など、京都で起こる奇跡のような出来事を綴った青春小説、全2編。第170回直木賞受賞。

8 「なれのはて」 加藤 シゲアキ 著 (デイジー) 製作中 (点字)製作中

芸術が招いた、意図しない悲劇。暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。長年秘められてきた真実は、一枚の絵のミステリから始まっていた。直木賞候補作品。

 

9 「襷がけの二人」 嶋津 輝 著 (デイジー) 製作中 (点字)製作中

裕福な家に嫁いだ千代と、元芸者の女中頭との間には、仲間のような師弟のような絆が芽生える。やがて戦火によって離れ離れになった二人だったが、不思議な縁で、ふたたび巡りあうことになる。女の生き方を描いた感動作。直木賞候補作品。

10 「ラウリ・クースクを探して」 宮内 悠介 著 (デイジー) 製作中 (点字)製作中

ソ連時代のエストニアに生まれたラウリは、黎明期のコンピュータ・プログラミングで稀有な才能をみせ、魂の親友と呼べるロシア人のイヴァンと出会う。その後、二人は時代の波に翻弄されていく。直木賞候補作品。第40回織田作之助賞ノミネート作品。

11 「まいまいつぶろ」 村木 嵐 著  (デイジー)10時間57分 (点字)5冊

口が回らず誰にも言葉が届かない、歩いた後には尿を引きずった跡が残り、その姿から「まいまいつぶろ(カタツムリ)」と呼ばれ馬鹿にされた、第九代将軍・徳川家重。廃嫡を噂される若君と後ろ盾のない小姓、二人の孤独な戦いが始まった。直木賞候補作品。第12回 日本歴史時代作家協会賞作品賞、第13回 本屋が選ぶ時代小説大賞 受賞。