7. 県立美術館「さわって楽しむ 柳原義達の作品」
県立美術館では、11月15日(火曜日)から12月11日(日曜日)まで、彫刻家の柳原義達(1910年生まれ、2004年没)の小型彫刻5点を、誰もがさわって鑑賞することができるコーナーを設けます。展覧会の名前は「さわって楽しむ 柳原義達の作品」。会場は、美術館内の柳原義達記念館という2003年に増築した展示室です。
柳原義達は、兵庫県神戸市出身の彫刻家です。柳原は当初、画家をめざしていましたが、美術雑誌でフランスの彫刻家アントワーヌ・ブールデルの彫刻を知って感銘を受け、彫刻の道に進みました。東京で活躍し、戦後にはフランス留学を経験して、日本を代表する彫刻家と呼ばれるようになります。代表的な作品として人や鳥の彫刻が知られています。
今回展示する彫刻は、もともと作家が手で粘土にふれながら制作した作品です。作品に手をあて、素材の温度や表面のでこぼこ、大きさを感じながら鑑賞することで、作家が手でかたちづくろうとしたものに迫る機会となれば幸いです。
昨年度もこの『はなしょうぶ』で「美術にアクセス!」展をご紹介し、多くの方にご来場いただきました。「美術にアクセス!」展では、立ったまま、身をかがめて作品の触察をしていただきましたが、今回は、皆さんに落ち着いてじっくり作品をさわっていただけるよう、会場内に椅子を置いています。
会場で配布するリーフレットには、視覚障害者支援センターさんのご協力により、音訳と点訳をご用意する予定です。ご希望の方は、会場でスタッフにお声をお掛けください。また、会場内でのサポートをご希望の方は、事前にご連絡いただけるとスムーズです。県立美術館の番号059-227-2100にお電話ください。休館日は毎週月曜、開館時間は午前9時30分から午後5時までです。日が短くなり、寒さも日増しに強くなる頃ですが、ぜひお誘いあわせの上、ご来館ください。
(県立美術館学芸員 髙曽(こうそ)由子、鈴村麻里子)