6. 視覚障がい者のための携帯電話の選び方③
5月号の「はなしょうぶ」に掲載した「視覚障がい者のための携帯電話の選び方②」では、ざっくりとした携帯電話の選び方を書きましたが、今回はスマートフォンに限定して、その選び方のポイントを掲載します。
(1)まずは記憶容量
スマートフォンはガラケーとは異なり、パソコンのように多くのソフトを利用できます。そのため、全体の記憶量は、大きければ大きいほど良いと考える人が多いようです。しかし、大は小を兼ねるとはいえ、記憶領域が大きいものは値段も高くなります。写真や動画は、記憶容量をかなり使用するため、スマートフォンを使用して動画や写真を記録したい方には、記憶容量が大きいものがよいでしょう。
また、音楽や視覚障がいをサポートするソフトなどを利用したい方は、それほど容量は大きくなくても良いでしょう。
(2)iPhoneとAndroid、どちらが便利?
iPhoneもAndroidも同じスマートフォンなので、できることに大きな違いはありません。しかし、視覚障がいを補う機能は内容や操作法、設定方法が違います。それではiPhoneとAndroidに分けて書いていきます。
① iPhoneの場合
iPhoneには最初からアクセシビリティ―と呼ばれる障がいの ある方が使いやすくするための機能が搭載されています。そのため、最初からそれらの機能を使うことは可能です。
しかし、設定方法を知っている携帯電話ショップのスタッフは、まだまだ少ないように思われます。
② Androidの場合
Androidは、複数のメーカーが様々な機種を販売しています。そのため、操作法はもちろん、アクセシビリティ―(Androidではユーザー補助と言う)の機能が最初から入っているものと入っていないものがあります。Androidの多くは、いろいろなソフトが集められた「プレイストアー」からダウンロードする必要があります。画面を読み上げてくれる機能を「トークバック」と言い、読み上げる内容もボイスオーバーとほぼ変わりません。
最後に上記のポイントを踏まえて、iPhoneとAndroidそれぞれのスマートフォンのどの機種がお勧めなのか、現在の動向や筆者の感じたことを含めて以下に記してみます。
① iPhone 基本的に電話の画面下の真ん中に「ホームボタン」と言う丸い押しボタンのあるものが良いでしょう。具体的には、「iPhone SE第3世代」がこれに当たります。
② Android もともとgoogle社が作ったスマートフォン用の基本ソフトです。そのため、google社が監修した「ピクセルシリーズ」と呼ばれるスマートフォンか、「スマートワン」と呼ばれる機種がお勧めです。
「ピクセルシリーズ」は、NTTドコモをはじめ、複数の携帯電話の会社で取り扱っています。しかし、「スマートワン」シリーズは、ソフトバンクとワイモバイルしか取り扱っていないので注意が必要です。