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三重県視覚障害者支援センター

4. 視覚障害者用そろばんを譲っていただけませんか

三重県立盲学校 校長

 全国の盲学校では、算数や数学の学習で、「視覚障害者用そろばん」を使っており、本校でも小学部から高等部までこのそろばんを日常的に使用しています。小学校等では四則計算の学習に筆算を用いますが、筆算は紙を縦横に広く使用して計算するため、視覚的要素が大きく、点字で取り組むには向いていません。そろばんは、触覚のみで操作ができ、指で触れて計算の過程を意識しながら、かつ、基本的に一か所に集中しながら計算することができます。文部科学省は、「点字教科書の編集資料」で、計算の学習はそろばんを活用することを前提として、指導内容や指導上の留意点を明記するとともに、点字教科書の算数では「珠算編」を編纂し、珠算を基本として授業を行うこととしています。

 「視覚障害者用そろばん」は、一般のそろばんと比べて底が滑りにくくなっており、また、玉が振動や触察等で動きにくいよう中にスプリングが入っています。玉の形状も視覚に頼らず動かしやすいなど、視覚に頼らなくても操作がしやすいための様々な工夫がほどこされています。

 全国の盲学校では、授業等の学習に加えて、「全国盲学校珠算競技大会」が実施されており、児童生徒は大会で好成績をおさめることを目標に、「視覚障害者用そろばん」を使って意欲的に珠算の練習に取り組んでいます。

 このように、盲学校の教育にとってなくてはならない「視覚障害者用そろばん」ですが、ニーズの大半が盲学校であるため、生産効率のよい製品とはいいがたい状況にあり、部品を生産する会社が廃業となる中で、令和7年度に入りついに販売中止となったようです。

 現在学校に若干の台数を保有していますが、破損等に備え、今後本校で学習する子どもたちのため少しでも数を確保したいと考えております。もしお手持ちの「視覚障害者用そろばん」がご不要という方がおられましたら、三重県立盲学校にお譲りいただけますと幸いです。まずは、電話059-234-2188(代表)にご一報ください。