4. 視覚障害者福祉大会の開催(11月10日)
令和4年11月10日(木曜日)、三重県総合文化センターフレンテみえにて、三重県視覚障害者協会主催の「第82回三重県視覚障害者福祉大会」が開催されました。
午前は表彰式などの式典が執り行われ、午後は三重大学大学院准教授の川口 淳氏をお迎えし、「巨大地震時の要配慮者対策の現状と課題」と題しましてご講演をいただきました。
当日、会場には会員76名と付添等61名のほか、被表彰者・来賓(三重県、津市、三重県社会福祉協議会)・ボランティア等も含め、合計181名の方に参加いただきました。
なお、式典において、協会会長から三重県知事あてに要望書を手交しましたので、要望事項について紹介します。
【要望事項】
1 県立盲学校および県立聾学校の建て替え移転時期が、当初の令和7年度から令和8年度中へ変更する見込みとなったところですが、引き続き、周辺の音響信号機等や横断歩道へのエスコートゾーンの設置、また、職員や児童・生徒の通学路が安全に通行できるように歩道を新設するなど、安全性を高めるほか、合理的配慮についても十分に検討し、整備していただきたい。また、その際には、県立盲学校の校名を県立視覚支援学校に変更していただきたい。
(補足説明)
児童・生徒が安全・安心に学校生活を過ごすため、新たな学校敷地の中の市道については点字ブロック、横断中音声表示装置、道路減速帯及び隣接分離歩道の設置をお願いしたい。また、通勤する視覚障がい者である教職員や学校関係者が、周辺の道路を安全に横断するため、音響信号機の設置及び横断歩道上のエスコートゾーンなどの整備を進めていただきたい。
2 視覚障がい者が交差点を安心して横断するために、音響式信号機のさらなる増設とスマホ対応の高度化PICSの積極的な新規設置をお願いしたい。
(補足説明)
昨年度、高度化PICSの運用が三重県内にても始まり、四日市市、津市、伊勢市の県内計40カ所に整備していただきました。県警本部のご尽力に、改めて心から深謝申し上げます。そのうえで、音響式信号機のさらなる増設と高度化PICSの各地域への積極的な新規設置をお願い申し上げます。
3 障がい者を対象とした県職員採用選考において、障がい区分別の選考とし、視覚障がい者を積極的に採用していただきたい。また、採用にあたっては、相談員、IT技術などを活用した職種のほか、県職員のヘルスキーパーなど、適切な採用職種をあらかじめ明確にしていただくとともに、採用後は、視覚障がい者が活躍できる合理的配慮の行き届いた職場環境を整えていただきたい。
(補足説明)
視覚障がい者の就労、就職は、すべての障がい者の中でも、極めて厳しい現状となっていますが、県におかれては、市町の模範となるべく、積極的に視覚障がい者を採用していただきたい。
最近の県の障がい者枠での新規採用試験において、視覚障がい者の合否は、極めて厳しい結果となっていますが、障がい区分別の新規採用試験にしていただくなど、視覚障がい者の県への採用については、特段のご配慮を賜りたい。
4 令和4年5月25日付けで公布・施行となった「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」を受け、県から視覚障がい者に情報を提供する場合は、その障がいの種類及び程度に応じてこれを行うよう配慮していただくとともに、市町、関係機関・団体及び県民に対して、本法の内容等を広く周知していただきたい。また、視覚障がい者の情報の不便さを軽減するためのコミュニケーション機器などの日常生活用具給付等事業について、地域間格差を是正していただくため、市町に対し県から働きかけを行っていただきたい。
(補足説明)
「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が5月19日に衆議院本会議にて全会一致で成立し、5月25日付で公布・施行になったことにより、視覚障がい者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る手段について、可能な限り手段を選択できるようになり、誰もが同一内容の情報を同一時点において受け取ることができるなど、視覚障がい者の社会参加が促進されていくものと考えております。
そのためには、視覚障がい者が必要とする情報へのアクセシビリティを向上させることや、コミュニケーションの手段を充実させることが極めて重要であるため、県におかれては、市町、関係機関・団体及び県民に対して、本法の内容等を広く周知していただくとともに、情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の策定・実施について、当事者目線を尊重して取り組んでいただきたい。また、市町が行う地域生活支援事業において、情報の不便さを軽減するためのコミュニケーション支援機器などの日常生活用具給付等について、地域間格差が生じているものはその是正を図ることを目的として、県からも各市町に働きかけを行っていただきたい。