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三重県視覚障害者支援センター

3. 白杖について紹介します

 「はなしょうぶ」では定期的に白杖や日用生活用品の紹介を記事に掲載しています。長年の読者にとっては、白杖のこともよくご存じだと思いますが、新しい読者の方は、興味のある知りたい情報でもあります。今回は、初めて白杖を持つ方や、今後、白杖を持つことを検討中の方のために、白杖のことについてご紹介します。

 白杖の役割は、「安全の確保」、「歩行に必要な情報の収集」、「周囲への注意喚起」です。道路交通法に視覚障がい者が白杖を持つことに対する記述があります。道路交通法により白杖を持つことで視覚障がい者は、保護されるということになります。

 白杖は、「視覚障害者安全つえ」という種目で補装具として支給対象になっていますので、身体障害者手帳をお持ちの視覚障がい者は、お住いの市町へ給付申請することができます。

 これからご紹介する白杖は三重県視覚障害者支援センターに見本があります。また、三重県視覚障害者協会購買部で購入することができます。

(1)白杖の種類

 白杖を選ぶためには、まず、用途別に次の三つから選んでいただきます。

 ① 単独歩行用の白杖

 主に1人で歩く時に使用する白杖です。杖を前方に出し、歩行する路面などの情報を収集し、安全を確認しながら歩くのに適した白杖です。

 ② 介助者と二人で歩行

 シンボルケーンともいいますが、単独歩行用の白杖に 比べ細く、軽いのが特徴です。そのため路面の情報収集にはあまり適していません。主に介助者と二人で移動する場合に、周囲の人に視覚障がいをわかってもらうための白杖です。また、弱視(ロービジョン)の人など全盲の人に比べて歩行に支障がない方が多く使用している白杖です。

 ③ 身体支持用の白杖

 歩行の際、杖で身体を支える必要がある方が、周囲の人に視覚障がいをわかってもらうための白杖です。

(2)白杖の形状と材質

 次に先の三つの白杖それぞれの形状や材質を選びます。

 ① 直杖(ちょくじょう)

 直杖は、つなぎ目のない杖です。折りたたみ式と比べると路面からの情報の伝達性や耐久性に優れており、軽量です。

 ② 折りたたみ式

 折りたたみ式は、使用しない時は折りたたんでコンパクトに収納できるので便利です。

 ③ 材質は、軽金属製、ブラックカーボン製などがあり、おもさや強度に差があります。

(3)石突き

 白杖の地面に接地する部分には、プラスチック製やゴム製でできた石突きがはめてあります。

 ゴム製の石突きは滑りにくいため、体を支える杖に使われています。一方、プラスチック製の石突きは、路面を探るとき使いやすいよう、よく滑ります。そのため、体を支えるように使用すると大変危険です。

 また、プラスチック製の石突きは道路わきの側溝などに挟まらないよう、丸い形やしずく型のものもあります。白杖によっては、石突きを取り替えられないものもあります。

(4)白杖の選定

 使用する目的などによって選ぶ白杖が変わってきます。また、使用する方の体格、歩く速さなどによってもそれぞれ最適な長さが違ってきます。

 そのため、初めて白杖を持たれる場合は、選定について視覚障害者生活訓練等指導員に相談をしながら決めるのがよいでしょう。各市町の事業で実施されている、視覚障がい者に対する生活訓練(歩行訓練)がありますので、お住いの市町障がい福祉担当課へお問合せ下さい。また、当支援センターでも視覚障害者生活訓練等指導員相談日を設けておりますので、お問合せ下さい。