3. 合理的配慮の提供が義務化
昨年の8月号にてもお知らせしましたが、改正障害者差別解消法により、令和6年4月1日から事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されました。これまで行政機関等は、義務化されていましたが、民間の事業者も対象となり、社会全体での差別解消を目指します。
障害者差別解消法の対象は、障害者手帳を持っている人のことだけでなく、身体障害のある人、知的障害のある人、精神障害のある人、その他心や体のはたらきに障害がある人で、日常生活や社会生活に相当な制限を受けている人全てが対象です。事業者とは、商業その他事業を行う企業や団体、店舗であり、目的の営利・非営利、個人・法人の別を問わず、同じサービス等を反復継続する意思をもって行うものとなります。個人事業主やボランティア活動をするグループなども「事業者」に入ります。
日常生活・社会生活において提供されている設備やサービス等について、障害のない人は簡単に利用できても、障害のある人にとっては利用が難しく、結果として障害のある人の活動などが制限されてしまう場合があります。このような場合、障害のある人の活動などを制限しているバリア(障壁)を取り除く必要があります。このため、障害者差別解消法では、事業者や行政機関等に、障害のある人から社会的なバリアを取り除くために何らかの対応が求められたときに、負担が重すぎない範囲で対応を行うこととしています。
合理的配慮の具体例としまして、車椅子のまま飲食店で着席したいなどの希望に対し、スペースの確保をするなどとした、物理的な環境への配慮や弱視難聴の方が筆談によるコミュニケーションを希望したが、弱視でもあるために細いペンや小さな文字が読みづらいとの申し出に対して、太くて大きめな文字を書いて筆談に対応する、意思疎通への配慮などがあります。個別の場面に応じて異なるので、障害のある人と事業者等が対話を重ね、双方が理解を深め共に対応案を検討していくことが重要です。
詳しくは、内閣府のリーフレットをご参照ください。(「内閣府 合理的配慮」で検索)