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三重県視覚障害者支援センター

3. 救急・防災研修会を開催しました(9月7日)

 9月7日(木曜日)の午後、支援センター大研修室で「センター救急・防災研修会」を開催しました。今回は、津市中消防署から3人の消防士を講師としてお招きし、AED(自動体外式除細動器)を使った救命救急指導を中心に、いざという時にどのような行動をとったらよいかといった内容を指導していただきました。

 当日は、センター利用者14人、付添者3人、ボランティア5人、職員6人、合計28人が参加し、AED(自動体外式除細動器)と心肺蘇生練習マネキンを用いての実演もしながら説明を受けました。また、家で身近な人が倒れた場合や、外出先で倒れて救助が必要な人に対して以下のような順で対応するよう説明がありました。

 ① 周囲の状況が安全であるか確認する。

 ② 両肩を叩き、意識があるか確認する。

 ③ 人を呼んで119番をお願いする。

 この時「救急車をお願いします」ではなく、「119番をお願いします」と呼びかけることがポイントだそうです。

 ④ 「AEDを持ってきてください」とお願いする。

 ⑤ 呼吸の確認をする。(10カウントして呼吸の有無を確認)

 ⑥ 呼吸がなければ心臓停止とみなし胸骨圧迫(心臓マッサージ)をする。

 ⑦ 胸骨圧迫30回、人工呼吸2回の順で救急車が来るまで続ける。

 ⑧ 蘇生処置の間にAED到着。胸骨圧迫の邪魔をせず、AEDパッドを設置し、AEDの音声に従い電気ショックを与える。

 この工程を踏まえ、実際にAEDを用いて実演してみました。まず驚いたのが、その性能です。開けてみると自動で音声が流れだし、その音声に従い、AEDの準備をすることができます。救助者の胸に貼るパッドを準備したり、コンセントをつないだりと指示を出してくれるのは、混乱している時にはとても心強いです。また、AEDは心臓が完全に止まっている人や心臓が動いている人には、きちんと「使用できない」と音声で教えてくれます。

 工程の中で行う胸骨圧迫は、現在1分間に約100回のスピードでおこないます。以前は1分間に約60回だったそうですが、これらの内容は5年のサイクルで方法が変更になると教えてくれました。胸を押す力も5センチほど沈み込むくらいの強さで、絶え間なく行うことが必要とのことでした。胸骨圧迫を体験したおかげで、胸骨圧迫の速度や手をあてる場所、体重をのせてしっかり押すこと、人工呼吸の顎の角度など、体で覚えることができました。

 実際、そのような場に遭遇した場合、教えてもらった処置を的確に行うことは難しいかもしれませんが、周りに呼びかけをし、協力してもらうことはできます。講師から、「一人で対応するのではなく、周囲の人へ協力を仰ぐことがとても大切」という発言もありました。コロナの影響で、こうした実演機会がなかったので、今回身をもって体験でき、とても有意義な時間を持てました。