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三重県視覚障害者支援センター

11. 全国視覚障害女性研修大会(香川)に参加しました

 女性部 西方 敬子

 令和6年9月4日(水曜日)5日(木曜日)に、香川県高松市にて「全国視覚障害女性研修大会(中国・四国ブロック 香川大会)」が開催され、出席させていただきました。

 当日、私は足を痛めておりましたので、車いすで参加しました。ガイドヘルパーのMさんには、大変お世話になり、本当にありがとうございました。

 さて、大会のスローガンは以下のとおりです。

「なくそう!障害のある女性の複合的な差別を!」

「認識しよう!一人一人が社会を構成する一員であることを!」

「高めよう!適切なヘルパー利用で生活の質を!」

「是正しよう!障害者福祉の地域間格差を!」

 4日午前中は、全国代表者会議でした。出席46人、委任状11人、欠席2人でスタートしました。

 各ブロックの提出議題のうち、東海ブロックと近畿ブロックのものが執行部保留となりました。それ以外は全て承認されました。

 4日午後はレポート発表でした。テーマは、「わたしの日常生活の一工夫」で6人の方が発表しました。

 1人目は、宮城県の弱視の方で、子育てをしながら病院や介護施設で働いてきた体験を話されました。本人も大変努力されたのですが、子育てではママ友や近所の人、職場では見えないことを説明して、いろいろ助けてもらったそうです。

 2人目は、栃木県の全盲二人暮らしの方で、スマートフォンを用いて情報を検索したり、ボランティアさんに点字シールを作ってもらって調味料の瓶に貼ったりしているそうです。

 3人目は、富山県の方で、1月1日の能登半島地震の後、富山県でも液状化が起こり、家が傾き道が凸凹になり、避難できず、とても困ったそうです。リュックを家の戸口に置いたり、家の中を片付けて避難しやすくしたそうです。

 4人目は兵庫県の方で「女性部の活動を通して思うこと」という発表でした。

 5人目は、山口県の方で「シニア世代の健康を食生活から考える」という発表でした。

 最後は福岡県の方で、現在の地域に嫁いできたとき、視覚障がい者であることを近所の人に知ってもらおうと思い、実家のお母さんと一緒にご近所や商店街を回って、挨拶周りをしたとのことです。それからは、外出すると、あちらこちらから声をかけられるようになったとのことでした。

 5日午前中は、決議(案)が採択されました。

決議(案)

 ⑴ 食品の賞味期限・消費期限の記載は、視覚障がい者にもわかりやすいように、文字を大きくすることを要望する。

 ⑵ 視覚障がい者が使いやすい音声ガイドによる操作のサポートを備えたセルフレジやタッチパネルなどの普及とともに、人的サポートによる声かけの徹底、加えて有人レジを残すことを要望する。

 ⑶ 鉄道駅や銀行の有人窓口を残すことを要望する。

 ⑷ テレビ放送におけるニュース速報の音声読み上げ、外国語の日本語吹き替え、字幕の文字拡大と時間延長を要望する。

 ⑸ 視覚障がい者単独でもスムーズに医療機関での検査や治療が受けられるよう要望する。

 ⑹ 入院時において病院の内外にかかわらず、地域格差なく、同行援護が使えるよう要望する。

 ⑺ 視覚障がい者がマイナ保険証を使うにあたり、使い方の説明と操作するための対処法の周知を合理的配慮の提供として要望する。

 ⑻ 視覚障がい女性が犯罪から自分の身を守るためのツールを開発し、日常生活用具給付品目として追加するよう要望する。

 ⑼ 地域間格差なく、子育て支援が受けられるよう要望する。

 ⑽ 商業施設・医療機関・金融機関等における視覚障がい者理解の啓発推進を要望する。

 ⑾ 災害時の情報伝達・避難・誘導避難所生活等に関し、視覚障がい者のための具体的な方策及びハザードマップのアクセシビリティを確保することを要望する。

 ⑿ 最低限の文化的生活を保障するために障害基礎年金の増額を要望する。

 以上決議する。

令和6年9月5日

「第70回記念 全国視覚障害女性研修大会(香川大会)会議」が終わって高松駅に戻ってきました。瀬戸内海の島々をめぐるフェリーが通り過ぎました。高松駅は「海のすぐそばにあるんだなあ」と思いました。